2月。確定申告シーズン突入ですね。
私は昨年法人化したこともあり
初めて税理士さんにお願いして
法人としての税務処理と個人事業の確定申告の移行などお願いしています。
そしてまた同時に、
法人での新規事業のため
登記の変更手続きなど調べる日々です。
(最初の設立は司法書士さんにお願いしましたが、今回は軽い変更なので自分でやる予定)
こういった業務や知識は
会社員であれば必要のないものですよね。
(投資とかしていたら確定申告はやるかと思いますが)
ちょうど、先日
コーチングのクライアントさんから
「起業についての手続きなどを知りたい。」
という要望がありましたので、
その辺りのことを私自身の勉強も兼ねて整理して書いておきたいと思います。
(少しずつ内容を濃くできればと思います)
「起業」の方法(形態)には大きく2種類ある
- 法人を設立する
- 個人事業主となる
このふたつです。
仮に、フランチャイズでお店を開いたり
自分自身でビジネスを作らなくても
どちらかの形態を取っているはずです。
どちらも
会社員やパート・アルバイトのように雇用されている訳ではなく
「事業を営んでいる」ということになります。
独立・起業しようと考えるときに
この「法人」化をするか
「個人事業主」で行くか
というのは、多くの方が悩むポイントかと思います。
ここでは簡単にその違いを書いておきます。
法人を設立するメリット・デメリット
一般的に「起業」というと
「会社を設立する」というイメージがあると思います。
そこで、いわゆる「株式会社」などの法人を設立することのメリット・デメリットからご紹介します。
法人を設立するメリット
簡単にいうと
法人は手続きが複雑な代わりに節税や信用面でメリットが大きいということになるかと思います。
税金面でのメリット
法人として払うことになる「法人税」と個人事業にかかる「所得税」を比較すると、法人税は累進性が低いというメリットがあります。
個人事業にかかる所得税は、
所得の金額に応じて6段階の税率が設定されており、所得が多くなればなるほど、高い税金を支払うことになります。
一方、法人にかかる法人税は、
税率が二段階式で、課税所得が800万円以上であれば、税率は30%になります(以降30%のまま)。
そのため、所得が一定以上の金額になれば、個人事業から法人へと法人化したほうが節税になると言われています。
また、個人事業主の場合は、
収入から経費を差し引いた所得すべてに所得税がかかりますが、法人の場合は、経営者の報酬である一部にのみ所得税が掛かります。(残りの部分には、法人税が課税されます。)
信用面でのメリット
私自身、一部上場企業で勤務していたのでわかりますが
大企業では、法人としか取引しないなど個人との取引に関して許可が出ないということが往往にしてあります。
大手企業と取引をするために「法人化する」ということもよく聞かれる話です。
その他のメリット
その他にも
- 保険を経費にできる
- 赤字の繰越が個人より長い(個人事業は青色申告で3年白色はなし、法人は9年)
- 株式発行による資金調達ができる
などのメリットがあります。
法人を設立するデメリット
ここまで書くととてもメリットの多そうな「法人」ですが
デメリットとしては
- 設立時(変更時も)の登記が大変
- 設立(登記事項の変更)にもお金がかかる
- 赤字でも必ず税金がかかる
などがあります。
個人事業にするメリット・デメリット
一方、個人事業として開業することにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
個人事業のメリット
個人事業主のメリットは「手続きが簡単」ということが言えるかと思います。
金銭的にも手続きの複雑さもないので、「やってみないとわからない」というスタートアップの時には参入しやすいと言えるかと思います。
開業・設立手続きに関するメリット
個人事業主の開業の際は、税務署でA4、1枚の「開業届け」を届けを出すだけで、個人事業主になることができます。
拍子抜けするくらい簡単です。笑
(厳密にはこの届出を出さなくても、事業所得があれば確定申告しなくてはいけないので、個人事業主となります!要注意)
法人の設立に伴う登記は20万前後が必要になることを考えると
とてもハードルが低いですね。
同様に、廃業する際や変更事項の際も法人ですと数万円がかかりますが
個人事業主はそういったお金は一切かかりません。
会計・経理処理が簡単!
個人事業主になると、年に1度、1年間の事業の収支を計算し、所得税額を計算する「確定申告」が必要になります。
この計算や確定申告に必要な書類の作成は、会計ソフトなどを使えば手軽に自分で行うこともできます。
開業届を出すと青色申告協会などで無料の勉強会なども実施しているので、心配はいらないでしょう。
個人事業主の確定申告には
「白色申告」と「青色申告」の2種類の申告方法があります。
青色申告は控除額が大きく、節税メリットが大きいです(赤字も3年繰越できる)が複式簿記という、少しだけ複雑な記帳が必要です。
(でも、これも会計ソフトで簡単にできます)
青色申告をしたい場合は、開業届に加えて税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
白色申告は単式簿記という簡単な形式での記帳が可能ですが、控除額はありません。
個人事業のデメリット
比較的「簡単」にはじめられる個人事業ですが、
デメリットとしては
- 売上が高くなると税率が上がる
- 経費に計上できる範囲が狭い
- 社会的な信頼が法人と比べると低い(取引や融資などが受けられないことも)
などがあげられそうです。
個人事業からスタートするのがおすすめ
私がおすすめする独立・起業の形は
まずは「個人事業主」からのスタートです。
売上の見通しや収入が安定しない時期に
設立に関する初期費用や税金などがかかってしまうのは、心的な負担になってしまうことも多いです。
個人事業主としてある程度売上をあげられる見通しがついてから次のステップとして法人化するというのが、安心できるかと思います。
ただ、芸人さんが「収入で住めるより少し上のランクの家に住む」というように、法人化することで、事業に対しての責任が増し、結果売上に結びつく。ということもありますし
最初から多くの投資を考えているなどビジネスに対してのスタンス(本気度)によっても法人を選ばれるのは良いかもしれません。
個人事業から法人化するタイミングは?
私自身も2014年3月に個人事業主で事業をスタート(といっても最初の1年半は開店休業状態・・・)して、2018年6月に法人化しました。
その際に「いつが法人化のタイミング?」というのを色々な方に聞いたり調べたりしましたので、その辺りのこともまとめておきます。
法人化のタイミングは実際いくつかの切り口があるかと思います。
売上額を目安にする
一番多く聞かれるのがこのパターンかと思います。
上記のように個人事業主の「所得税」は累進性が高くある一定の売上になると「法人化」して「法人税」を納める方が節税となります。
では、それがいったいいくらなのか。
これはズバリこの価格です。という答えはなく、個人によって多少違ってくるのですが一つの目安として
「約1,000万」というのがあるように思います。
売上が1,000万に近づいたら法人化について検討してみても良いかな?と思います。
消費税の課税時期を目安にする
みなさん、消費者として払っている消費税ですが
事業主になるとこれを「納める」側になります。
正確にいうと
売上が1,000万円を超えたら2年後から消費税の納税義務が発生します。
つまり、1年目の売上が1,000万円を超えていれば3年目から消費税の納税義務が発生することになります。
でも、法人の場合新設法人は2年間消費税が免除されますので
3年目から法人化すれば、一度リセットされるというわけです。
「売上が1,000万を超えて3年目のタイミング」
これも法人化のひとつの目安になるかと思います。
自分の気持ちで決める
これはもう。売上とか消費税とかそういうことを全部無視して
自分が「今だ!」と思ったタイミングで法人化する。ということです。笑
私は上記の売上という目安はあったものの、どちらかというとこの「気持ち」が大きかったような気がします。
やはり同じ事業者であっても「個人事業主」と「法人」では社会的責任が違うと感じます。そういった意味で自分としてビジネスに対しての意識が変わったタイミングで「法人化」というのもありかなと思っています。
(実際に経営者の先輩にそういったアドバイスをしていただいたこともあります)
法人設立日・個人事業主開業日の選び方
個人事業主であった私が法人を設立する際に「設立日」のことをあまり考えずに手続きを初めてしまい、
希望通りの設立日を選べなかったということがあります。
また、思い返せば個人事業主としても「開業届」を出す日と「開業日」について色々と税務署とやり取りした記憶があります。
この辺りのことも触れたいので、改めて追記していこうと思います。
早く知りたい!という方は「新*公式LINE@(IDは @kmk9915a)」より
「法人化のこと知りたい!」と送ってくださいね。
(メッセージは1:1なので他の方には見えません!)